Grapevine 沈黙の臓器Final 東京ベイNKホール 2004/04/24

約2年ぶりのGrapevineである。今回は6枚目のアルバム『イデアの水槽』のリリースにあわせて行われたツアーで、これが追加公演となっている。個人的には当初、クルマで行こうと思っていたが、寝坊したため電車で行く。前回見た時は、平日だったが、やはりお台場で、今回も湾岸エリアである。それにしても、もうちょっと東京の都心部でやっていただけないものだろうか。
会場入りしたのは、開場30分ほど立った頃。それにしても、最寄り駅の舞浜から臨時の直行バスが運行されていたのにはびっくりした。初めてのNKホールだが、今回は二階のスタンド席である。これは、スタンディングがいやなので、座席のあるところにしたのである。会場はキャパシティ6000ほどだという。アリーナ席が半分くらいはオールスタンディングなので、満席ならばもっと入るであろうが、二階席は中央の通路を境目に上半分はがらがら。アリーナ席は満席のようだったが、スタンディングのスペースはやはり半分くらいの入りである。当日券も販売していた模様である。まあ、今までの彼らの会場選択はZeppとか赤坂Blitzとかで、2000人規模のホールでの経験がない。これは致し方ないことなんだろうが、3000人くらいは入っていたのではないだろうか。もちろん、今までで最高の集客数なんだろう。さて、この会場は、アリーナ席を取り巻くように、スタンド席が作られていて、これがオーバルの半分の形をしている。幸い、自分の席は中央に近く、ステージをほぼ正面に見ることができる位置であった。ただし、かなり遠い。
客電が落ちたのは、開演予定を10分くらい過ぎた頃。MCも何もなしのいきなりの演奏である。かなりの爆音。西原誠が脱退して3人になってのステージだが、サポートのベースとキーボードが入る。確認できなかったものの、ベースは前回と同じ、金戸覚であろう。いきなりの全開の演奏。それでも音はよい。ただし、ヴォーカル田中和将の声が聞こえにくい。会場の音響と関係するものなのだろうか。それでも、田中が高音で歌うと、これが耳のみならず、鼓膜に響きそれが頭骨と脳に響くような感じがする。何とも不思議な高揚感。これまた前回味わったのと同じ感覚であった。
4曲ほど演奏して、初めてのMC。ここでわかったのは、今回は長い公演となることなどである。もともと、田中のMCは長くなく、簡潔である。曲なども、曲間がほとんどなく、少しの沈黙があってすぐさま次に移るというのも、以前と変わっていない。このMCのあと、音がクリアになった。田中の声もかなりはっきり聞こえるようになる。
前回行った、Zepp Tokyoの公演では、少し疲労気味なこともあったのだが、演奏がやや荒く、曲が判明しないことも多かった。しかし、今回は、かなりよくわかる。特に初期の曲は、田中が「懐かシングル!」などといい、演奏具合もこなれていることもあるのか、すごくよかった。飛ばしに飛ばして、ほとんど休みなし。ここは、二階席で座席もあるにもかかわらず、はじめから立ち上がる女がいたのだが、こちらはよく見えているので、それはなし。ファン層はもちろん、20代の男女が多く、けっこう濃いのかなと思ったが、そうでもない。あまりよく知らない人たちも半分くらいは混じっているようだった。また、前回感じたことだが、パインのファンはかなりおとなしい。ただ、リズムに身をまかせているような感じなのだ。声援、ヤジともほとんどないといってよい。NKホールのスカスカした感じも、パインが音を高めていくと、空気が重くなる感じなのだが、ほどよい演奏をすると、かなり心地よい。
田中は、場所柄「ディズニー・ランドには負けへんぞ」とか、「エレクトリカル・パレードにはもう間に合わない時間になってきましたね」などといい、しきりに、あちらへの対抗意識らしきものを口にするが、これは単に口べたから来ているものだろう。何しろ、ほとんどプライベートなことを言わないのだ。曲に関する思い出とかメンバーのコメントなどもなし。ホントに曲だけで勝負といった素っ気ないものである。そんな感じで進むが、中には、ライティングに工夫を凝らし、マニピュレーターが操作する、バックの音も入った曲もあった。そして、「それではラスいち行きます」などといわれ、時計を見ると、20:00過ぎ。これはまだまだあると踏む。
メンバーが、歩いてステージ左手に消えていく。田中は、ピックなども会場に投げ入れる。しかし、今まで前方で立ち上がり続けていた女は、ここで帰った。やはり会場が遠いんだろう。すぐさま、アンコールの拍手が打ち鳴らされる。しばらくの間があった後、彼らが再び登場。やはり懐かしい曲で勝負。「NKホールもいつもの会場の雰囲気と同じになってきた」「結成10年にして、やっとここでできるようになってきた。いつも、NKホールでやらしてくれ〜!」という言葉がばんばん出る。メンバーは、ツアー用のTシャツに着替えていたが、西原だけは、着替えていない。このアンコールは、4曲くらいやって、終了。ここで隣の客がまた帰った。
再びのアンコールの拍手。先ほどよりは少し間があり、再び登場。今度は簡潔に、2曲で終わりとなった。最後は、ピックやタオルだけでなく、ペットボトルと着ていたTシャツも投げ入れる。その際言った一言。「全然汗かいてへん」
「いけすかない」「スロウ」「光について」などが絶品であった。それにしても、会場が遠く、もうちょっとアクセスのよいところでやってもらえないだろうか。やはり、渋谷公会堂くらいのところでお願いしたい。それでも堪能の約3時間であった。
評価★★★★
Set List
1.鳩 2.シスター 3.白日 4.Blue Back 5.(All the young)Yellow 6.Breakthrough 7.リアリティ 8.会いにいく 9.光について 10.羽根 11.遠くの君へ 12.公園まで 13.ぼくらなら 14.It was raining 15.11%Mistake 16.豚の皿 17.Sea 18.Paces 19.いけすかない 20.Head 21.アンチ・ハレルヤ 22.Suffer the child 23.ミスフライハイ 24.Good bye my world
(encore)25.スロウ 26.パブロフドッグとハムスター 27.マダカレークッテナイデショー (double encore)28.君を待つ間 29.Soul Faundation

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