The Rolling Stones Licks Tour 東京ドーム 2003/03/15

The Rolling Stones4回目の来日。今回は、ニューアルバムがあるわけではないが、結成40周年という節目でもある。できたら行きたいなと思っていたら、前回の来日時にチケットを譲ってくれた、アニタツ氏がまたもや救いの手をさしのべてくれた。ということで、5年ぶりとなる彼らに再会しに、ドームに出向いたのである。

今回は、デジカメ持参。別に会場内部の様子を盗撮しようとかやましいものではなく、会場外で、記念撮影でもしようというもくろみである。だが、入り口の警戒は厳重で、空港などで使われる身体検査用の、ハンディの金属探知器も置かれるという物々しい雰囲気。まあ、それはおいといて…。
アニタツ氏が、早めに会場入りするというので、こちらもそれに従った。会場がオープンすると同時に内部に入場。席につく前に混雑しないうちに、Tシャツをゲットしようと、売店に。トリプルのベロマークが今回のロゴのようなものらしい。その白のTシャツ、\4000なり。サイズは、やはりアメリカンらしいので、Mにした。
席でしばらく待つと、アニタツ氏が登場。長い時間でもあることなので、ハンバーガーを買って食べる。これまた高い。また、会場では、野球観戦ではないが、タイアップのサントリーの発泡酒を売り子が売りさばいている。こちらもべらぼうな値段である。んー、そんなに儲けたいか、東京ドーム。まだまだ、開演にはほど遠いが、会場内はだいぶ盛り上がっている。前には、どこかの米軍キャンプの軍人なのか、若いアメリカ人の二人組。すでに相当発泡酒を飲んでいる様子。
席は、三塁側。ステージに近いのはいいが、だいぶ角度がついている。レフト清水なんかだとよく見えるんだろうけど。ステージには、ドラムが配置されているようで、なんかシンプルな感じである。こんなでかい会場なのに、モニターのようなものがないというのも、意外だ。また、アリーナの中央には、ボクシングのリングのようなステージがあり、また、ここでも演奏してくれそうな雰囲気である。
客電が落ちたのは、開演予定から30分以上回ったあたりだった。しかし、会場のボルテージは瞬間的に全開となる。自分もBrown Sugarのイントロに、思わず鳥肌が立っていた。自分ではけっこう冷めた感じで、見守るつもりでいたのだが、この感じは、前回の5年前にもなかったものである。んー、やはりストーンズはすごい。隣に来た男性は、女性連れだったが、すべての曲を大声を張り上げて歌う。ほとんど自分がミックになったような感じらしい。会場も、すべてのサビを、ほとんどの奴らがコーラスしている。
ストーンズも、5年ぶりだというのに、ほとんど変わっていないというか、若返っている感じだ。特に、キースは、髪の毛を元の色に染め直したのか、あまり爺むさい感じがしなくなっていた。ロニーも元気バリバリで、キースに代わってギターソロを弾いたり、リードを取る曲もかなり多い。チャーリーは、相変わらずのふさふさした、総白髪なのだが、パワフルなドラミングは健在。あんな枯れた感じなのに、このパワーはどこから出てくるのだろうか。そして、ミックは、今年還暦になるというのが信じられないくらい、スリムだ。一般社会でいったら、もう退職する歳である。ハゲ、デブ、老眼というようなイメージなんかとんでもない。さすがにロックミュージシャンは、均整の取れたスリムな身体であるのが一番だ。たとえリッチな生活をしていてもそうだ。日本のミュージシャンの中には、生活が安定すると、心の状態だけロックという人もいるが、やはり身体もそうあってもらいたい。これは、某TMNのヴォーカリストなんかにいっているんだけどね。(^^;
しかし、音の状態はひどく悪い。ハウリングとかそういう問題ではなく、会場の音響上の理由だ。正面だったならば、それほどは気にならないのかも知れない。しかし、ここ、三塁側に関しては、音が反響しすぎるし、ミックのヴォーカルもほとんど何を言っているのか聞き取れない。ストーンズ側としても、そろそろ、ドーム一辺倒は、解消したいらしく、今回は、武道館と横浜アリーナという会場でも、演奏されている。だが、このチケット代は、ものすごい価格である。そのあたりを呼び屋の人たちも、何とかして欲しいものだが。また、日本にこんなにも、ストーンズファンはいるのかという、疑問もあるのだが。
大きな会場で、ストーンズのステージも、ほとんど見えないはずなのだが、肝心のモニターは、2曲目のStart Me Upで現れた。ステージの上方にそれは次第に現れ、4分割した画面がそれぞれ、ミック、キース、ロニー、チャーリーを映し出している。やがて画面は枠が消えてひとつになり、ミックのアップが映し出された。また、今回は、ロニーのギターのネックの部分に小型カメラが取り付けられ、彼の指使いがわかる大迫力の映像もあったのだ。これはなかなか嬉しい配慮であった。
途中のメンバー紹介。サポートメンバーから紹介されるが、サックスのボビー・キーズのところでは、一段と大拍手が続く。前回もそうだったが、なぜかこの時だけは、盛り上がるのだ。確かに、30年以上ストーンズと行動をともにしている準メンバーの一人なのだが。しかし、イアン・マクラガンなどの姿はなかった。コーラスには、おなじみ、リサ・フィッシャー。彼女が重要な感じを見せるのは、Gimmie Shelterのツインヴォーカルを担うとともに、Honkey Tonk Womenのコーラスであろう。また、サポートのベーシストは、今回もダリル・ジョーンズであった。次第にロニーの重要性も増してきているのか、彼の紹介では、かなりロニー自身も目立つような行為をする。それに対してミックのお言葉は、「シツコイ!」というものであった。ラストの紹介で、やはりキースとなり、そのまま、彼のソロに突入。曲は、Slipping AwayとBefore They Make Me Runという渋い選択。はじめ、キースの声がちょっとテンション低いかなと思ったが、まあギタリストなんだし、しょうがないかとも感じたのだが、曲が続くと、さらにいぶし銀のような深みが感じられた。
曲と曲の合間がやや長い感じもした。まあ平均年齢で、50代後半。しょうがないかなとも思うのだが、全曲ひとつも手を抜かずに、ミックは歌い続けている。しかも、ステージの両袖までという移動もある。やはりすごいことですよ。しかも、このワンステージではなく、ほぼ1年にわたっての、ワールドツアー、つまり、旅をしながらこれをやり続けているのである。今や、ワールドツアーを行う、ロックバンドは皆無ともいえるはずで、これを還暦前の男が5年前とほとんど代わらぬテンションで続けているのである。これはすごいことですよ。まあ、曲によっては、長い各自のソロもあったりして、はっきりいってこの部分は、中だるみしたが。
そして、いつの間にか、小さなステージ(Bステージというのだそうだ)に戻る。ここでも休みなし。すぐさま演奏が続けられた。圧巻だったのは、前述したが、リサ・フィッシャーの加わる、2曲。特に、Honkey Tonk Womenは、モニターに、大きな唇のアニメが現れ、セクシーな女性も登場。ちょっとこの画面が、XXXもので、やばい感じでもある。そろそろ、ステージも終わりにさしかかっている。明らかに飛ばしにかかっている。ラストは、Jumpin' Jack Flash。演奏を終え、すぐさまのアンコールを促す拍手が続く。相当待たされるだろうと思いきや、1分もしないうちに、演奏が開始された。やはり最後は、Satisfactionだろうか。ドームはかなりしっかりした作りなのだろうが、この時ばかりは、床が揺れるような感じもした。もっと聴いていたいような気もしたが、早くも、演奏を終えると、メンバー4人が、肩を組んでのカーテンコールである。
それにしても、休む間もない、2時間半。無事会場を出て、外でアニタツ氏を交えての記念撮影をした。もちろん、ストーンズよろしく、ベロを出してのものだ。各自の感想としては、ブルースの場面がややたるかった。もっとロックでいって欲しい。『Some Girls』や『Emotional Rescue』からの曲もやって欲しかったなどである(ちなみに、我々は同級生でそのあたりの世代である)。
評価★★★+1/2★

Set List
1.Brown Sugar/2.Start Me Up/3.You Got Me Rocking/4.Don't Stop/5.Rocks Off/6.You Can't Always Get What You Want/7.Bitch/8.Can't You Hear Me Knocking/9.Tumbling Dice/10.Slipping Away (Keith)/11.Before They Make Me Run (Keith)/12.Sympathy For The Devil/13.It's Only Rock 'n' Roll (B-stage)/14.Little Red Rooster (B-stage)/15.Midnight Rambler (B-stage)/16.Gimme Shelter/17.Honky Tonk Women/18.Street Fighting Man/19.Jumpin' Jack Flash
(encore)20.(I Can't Get No) Satisfaction

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