Backstreet Boys Japan Tour 東京ドーム 2001/11/19

久しぶりのライヴである。どういう風の吹き回しか、Backstreet Boysのチケットが手にはいることになってしまった。まるで予備知識なし。いちお、チケット入手先からの情報で、アメリカ版SMAPみたいなものだということは聞いていたのだが。
この日は、出張がらみで早く出ることができ、水道橋へと急ぐ。すでに改札口は長蛇の列。帰りの切符を買おうという人たちで混雑している。客層は、20代女性ばかりである。早く出ることができたので、簡単に食事をすまし、ドームへ。座席は、一塁側のほぼ中央で、下段のスタンドである。ステージはここでもかなり離れている。
開演時間をやや過ぎた頃、場内が暗くなり、ステージ上のモニターに、SF風のものが映し出される。それは、ジョージ・ルーカスによる、Star Warsのようなもので、まるで帝国軍と、連合軍が激突する画面のようでもある。そして、その飛行物体が、どうやら地球にぶつかったかのように見える瞬間、モニターから、爆音とともに、何かが発射される。それが、5回繰り返される。なかなかの演出なのだが、先日あったアメリカ同時多発テロを思い出さずにはいられない。ほとんどこの演出は、アメリカ国内では不可能なものではなかろうか。こうした演出が終了すると、先ほど何かが発射され、ステージに突き刺さったと思われる地点から、何かがせり上がって、5人のメンバーが、姿を現した。
さて、場内は、初日ということもあってか、満員御礼。ざっと、5万人ほどがいたと思われるが、その半分くらいが、蛍光式の、小さなポールを携えている。これが奇麗で、そうしたことにほーっと感心してしまう。また、曲が始まると、とんでもない嬌声が飛び交い、ほとんど何を歌っているのか聞き取れないほどである。たまに、MCを挟むのだが、何をいっても、ダイレクトに反応する観客。お前ら、いっていることがわかるのかよと、毒づきたくもなってしまう。そんなことをよそ目に、メンバーは、東京のノリがよいと思ったらしく、ご機嫌な様子。それにしても、曲調が単調で、同じタイプのものが多くて、だれてしまいがち。
途中、楽屋裏を見せるようなコーナーがあり、メンバーの着替えのシーンが、モニターなどで流れる。実際に、ステージ上から仕掛けによって、ひとりずつ消えていった中で、舞台裏に回って、それをカメラで流すというものだ。また、別の場面では、メンバーが楽器を持って、演奏する場面があったが、実際に楽器を演奏できるメンバーは、ひとりか二人くらい。また、演奏できても、ライヴで客が満足するようなことができるメンバーは皆無に等しく、ドラムを叩いていたメンバーも、途中で音が切り替えられて、裏のバンドメンバーが、叩いているようなことがありありとわかるが、それでもミーハー気分の客はよいのだろう。まあ、ショーアップされたステージなのだから、こういうのも否定はしないが。実際、この場面があり、ところどころは、バックのバンドが演奏もしているのだとわかったほどである。それでも半分以上は打ち込みで構成されていると思われる。
Backstreet Boysの真骨頂は、コーラスだと思う。ダンサブルな曲では、全員が揃っての振り付け、またバックダンサーが登場したりという、華やかなものとなるのだが、全員がステージ前に、集まり車座になってのアカペラ風のものがあった。確かに、会場のキャパシティは巨大すぎるが、こういうタイプのものをもっと全面に打ち出してもよいのではなかろうか。
さて、約2時間が経過し、アンコールは1回。ラストは、メンバーがステージから降りて、客の前を走りながら歌ったりするのだが。それにしても、個人的にはどこがいいのだろうという気もするが、世界的に爆発的な人気があるらしい。2時間かっきりのステージングだが、誰ひとり座ることなく、こちらも立ち上がって見ることとなった。今後のライヴ観戦に向けてのよいウォーミングアップとなったような気もする。それにしても、ビートルズの初来日(といっても、それきりだが)の時って、こんな感じだったのかも知れない。
評価★★1/2

以上、2001年のログをそのまま残しました。まったく、思い入れのない人たちなので、かなり辛辣な書き方となりましたが、考えてみれば、洋楽系の来日アーティストがほとんどベテラン勢ばかりになってしまった現在、旬のビルボードに登ってくるような人たちをかいま見れただけでも貴重な経験だったかも知れません。
とはいえ、個人的にはまったく受け付けないです。m(_ _)m

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