Daryl Hall & John Oates Cosmo石油 Special Event 日本武道館1998/04/22

ついにホール&オーツが活動再開。この人たちも待ち望んでいたのである。今回、首都圏では3回コンサートが行われるが、都内ではなぜか、Sing Like Talkingとのジョイントである。他は、横浜と浦和で、同行者のHT(ストーンズに同行)と相談の結果、武道館で我慢することにした。
チケットニフティで取れたのは、南東の2階席。ステージを右斜め上から見下ろす形である。この日はコスモ石油のイベントで、司会には、ベストヒットUSAでお馴染みだった、カツヤ・コバヤーシ(小林克也)が登場。 「みなさん、僕わかりますよ。今日は年齢層が高いです。来てます。かなり来てます」明らかに、ホール&オーツのファンに向かって言っているのだが、ニフティなんかでは、SLTの方がツリーなんかも作っているので、最近はどうなのかわかったもんじゃない。客層もかなり女性が多く、どちらのファンなのかもわからない。しかも、自分にとっては、SLTは名前だけ存じ上げているようなもので、よくわからんし。(^^;)
SLTはなんと16人編成で登場。そこそこの音を聴かせてくれたが、コンサートホールとしては奇妙な形のここ武道館では、音のバランスを取ることが難しいのであろうか。あまり心に残るものがなく、早くホール&オーツが聴きたいと思う。それなのに、ヴォーカルの佐藤竹善(ほとんど津軽三味線の人みたいな読みである。ちなみに青森出身らしい)は、余計なことを喋って時間を浪費するかのようにも思えてしまう。
ようやく奴らが終わって、セット替え。この間に、女性司会者に伴われて、水中写真家の中村征夫と(なぜか)三井ゆりがトークを繰り広げる。ローディたちの作業は何ともてきぱきしている。さすがはショービジネスの本場からやってきた奴らである。音響チェックも、会場にPAを通して音を響きわたらせることなく、ミキサーのモニターだけで行っているようだった。このあたりのチームワークの良さは、日本のローディチームのみなさんも見習って欲しいところである。
そして、最初にアコギを持ってダリルが登場。ジョンも少し遅れて登場。ジョンに対して、女性ファンから英語で声援が飛ぶ。ジョンは手を振って応えている。久々のライヴで嬉しそうだ。最初は、ニューアルバムから、「Romeo Is Bleeding」。
ダリルのマイク位置はかなり高めに設定されている。ホントにこの人は背が高いんだなあ。しかも、今年50になるらしい。全然見えないぞ。想像して欲しい。自分の回りの50になる人を。ダリルは、アコギにエレキ、キーボードとこなすが、元々はキーボードプレイヤーである。それが、今やギターをはなすのが残念とばかりに、ギターを弾きまくる。
一方のジョンは、自慢の鼻ヒゲを剃り落としている。どこか違和感があるが、これまた若い。サポートプレイヤーは、リードギタリストと(こいつは、Jimmy Hendricksばりに歯でフレーズを弾いたりした)、ベース、キーボード、サックス、パーカッションくらいなものであるが、16人編成だった、SLTなんかを当然上回る演奏を聴かせてくれた。ダリルのソウルフルなヴォーカルにどんどん引き込まれていくことがわかる。
「One On One」この歌の高音部だけは、ダリルの声が出にくくなっている。しかし、すべての楽曲をキイを落とすことなくそのままに演奏していることが好感が持てる。しかし、その他の曲では、ダリルの声が会場に心地よく響きわたっている。
往年のヒット曲。ダリルがキーボードにつく。「Private Eyes」。サビの手拍子の部分は、誰も要求しないのに、会場のファンはお約束のように自然とリズムを刻んでいる。僕もこの曲を聴くのはかなり久しぶりだというのに、きちんと身体が反応している。ヒットパレード大会と化してきたが、ダリルの曲ばかりだな。少しはジョンの曲もやったらいいのに。ジョイントで時間もあまりなかったからか、ジョンがリードヴォーカルを取る曲はついに演奏されなかった。
ダリルの声量が凄いものだったということを証明するのが、1曲だけあった、SLTとのジョイント曲である。世界のホール&オーツと共演できることになった佐藤竹善氏は、とても嬉しそう。この後再び、ホール&オーツとなるのだが、佐藤竹善のマイクが、そのままジョンの前に置かれた。コーラス部分で、ジョンの声が異常に大きいのである。ダリルに対抗するには、マイクのヴォリュームを思い切り上げなくてはならなかったということである。確かに、SLTの曲の時は、ヴォーカルが天井のあたりから振ってくるような、うまくは言えないが、東京ドームのような音場にあったのである。しかし、ダリルの声は、確かにマイクとPAを通してはいるのだが、自然に聞こえるのだ。
今回はジョイントということもあり、色々制約が大きかった。ジョンがバックに徹していたこととか、二人のアコースティックなシンプルな曲も聴きたかったし。やはり「デュオ」だしなぁ。これじゃまるで、ダリルのソロに、ジョンがつきあっているとしか言いようがない。ところで、今後の活動は「再開」と位置づけしていいんでしょうかね。
評価★★★

以上、1998年のログを少しだけ訂正して残しました。この後、Hall & Oatesとしても、あまり活発な活動は行われていないようです。ただし、日本にはやってきていて、公演もあったようです。あまりにこき下ろした、Sing Like Talkingですが、この後、同様のイベントがあり、ここでも再び相まみえてますが、やはり印象に残っていないな。また、三井ゆりは、野口五郎夫人となって子供も誕生してしまうし、時代の流れは速いものです。
それにしても、マイクのヴォリュームの違い、あれ、わざとじゃないでしょうね。

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