The Rolling Stones Bridges To Babylon Tour 東京ドーム 1998/03/16

休みを挟んで、月曜日。まだ土曜日の興奮が残っている。しかし、今度はアリーナだ。
仕事もそこそこにドームに急ぐ。職場は一応23区内だというのに、ここまでの時間がかなり長く感じられる。折しも、職場では年度末の多忙期で、ここに駆けつける予定の同僚も「先に行っていてくれ」とのことだ。
会場では、先に到着して、もう一人の到着を待つ。席がわからなくて、最初別のブロックに入ってしまった。土曜日は満員だったが、今回は、その2階席ががらんとしている。何でも、埋まらなかったので、その付近の客を一斉に移動させたものらしい。
開演5分前に、友人ヒデTが到着。さらには客電が落ちるのだが、アキラTは姿が見えない。

一昨日と同じように、スクリーンの花火から始まる。周囲の人たちはすでにこれに驚いているようだった。轟音のようなキースのギター。銀のコートにサングラスである。そして、ロニーは、昔ミッシェル・ポルナレフがしていたようなサングラスである。
いやあ、このアリーナだと、音が鮮明に聞こえる。いったい土曜日のはなんだったのだろう。そして、このCブロックからは、キースサイドに当たり、演奏もばっちりだ。
次の「Let's Spend The Night Together」、観客も昔ながらの「パッパラ・パッパッパ・パーラ」のコーラスに早くも口ずさみはじめている。ここでは、さすがに誰もが立ち上がっている。
そして、土曜日と同じく「コンバンハ、トキョー」の挨拶。ミックとリサの掛け合いの「Gimmie Shelter」へ。
それまで曲順はまったく同じだったが、次でミックがアコギを抱える。「おっ、アンジーか」との声が一瞬挙がるが、今ミックが「Sister Morphine」と言ったじゃないか。そして、「It's Only Rock And Roll」。このあたりになると、サビの部分は皆知っているわけで、大声でドームが反響する。
「ツギハシンキョクデス」。『Bridges To Babylon』からの曲が続き、再びサイトの投票曲へ。今度は「Shine A Light」であった。それにしても、こう聴きたい曲が入れ替わるものなのか。これは、ある程度アーティスト側の意図が入り込んでいると思われる。今彼らにに、「Fingerprintfile」なんて曲をやれといってできるものだろうか。
メンバー紹介。リサ・フィッシャーとボビー・キーズへの拍手が大きい。ボビーはこの暖かい出迎えに感動しているようでもあった。チャーリーにもひときわ熱い声援。かっこいいぞチャーリー。そして、ロニーは、放送禁止用語でもある、「キ○○イ」とのことだ。そして、キースのコーナーへ。
をを、いきなりの「All About You」ではないか。僕はキースのソロでこの曲が一番好きだ。そんな頃に、同僚アキラTが登場。最初から聴けなかったのは残念だが、この曲を聴いただけでも1万円の価値はあるかも知れない。
そして、バビロンへと続く橋へ。土曜日はわからなかったが、この橋は、一直線でなく、中央で湾曲しているのだ。それとともに、センターステージも少しせり上がっていく。ここで演奏するメンバーめがけて、数々の物が飛んだ。これはブーイングではなく、プレゼントというわけだ。中には、女性物の下着(注・未使用)もあるそうだ。僕らも身体を左側に向けて演奏を見守る。近くの女性が、男性と来ているにもかかわらず、「きゃー、ミックぅ〜、ファ○クしてぇ〜」と叫んだ。
やはり、ここの演奏はいい。ここでの2曲目は、「Let It Bleed」である。81年のアメリカンツアーのドキュメント映画、『Let's Spend The Night Together』(ハル・アシュピー監督)では、この演奏をバックにビル・ワイマンの姿をフラッシュバックするようにとらえていたものである。
やはり、ここは音が聞こえにくいのか、チャーリーはヘッドフォンをつけてのドラミングであった。こんなところも、アリーナでなくては確認できないことである。
そして、バビロンから元のステージへと帰るのだが、バックに打ち込みのドラム音が鳴り響く。そして、帰ったはずのミックが再びセンターステージ付近から現れた。素早い衣装替え。曲は、「悪魔を憐れむ歌」である。
白熱のライヴも後半へ。「ダイスを転がせ」から、土曜日を彷彿とさせる大合唱大会である。続く「Honky Tonk Women」の後半では、スクリーン上に、会場の女性ファンが映し出される。「デンワバンゴウオシエテ」いったい誰がミックにこんな言葉伝えたのだろう。
そしてアンコールへ。「無情の世界」から「Brown Sugar」。ミックのアクションにあわせて、ジャンプする観客。みんな歳は食っているが、永遠のロッカーに自分を同化させている。僕も少しだけそんな気分を味わった。ちょうど、自分たちの前の袖に出てきてギターを抱えて跪くキース。なんだか、この東京の観客の反応の良さとか、自分たちの完璧に近い演奏に感謝しているみたいに見えた。
評価★★★★(★1/2)
ミックもキースも、そしてロニーも僕たちの前に来てくれました。そして声援に応えてくれてありがとう。長年の夢が叶いました。ホントにこの夜の演奏は素晴らしかった。これはアリーナで見ることができたからではなく、彼らのパフォーマンスと、ファンとが一体になったからではないでしょうか。この日の演奏は、アメリカでもそうないのではないかと思います。(行ったことないけど)
Set List(16th only)
1 (I Can't Get No)Satisfaction 2 Let's Spend The Night Together 3 Flip The Switch 4 Gimmie Shelter 5 Sister Morphine 6 It's Only Rock And Roll 7 Saint Of Me 8 Out Of Control 9 Shine A Light 10 Miss You 11 All About You 12 Wanna Hold You 13 Little Queenee 14 Let It Bleed 15 Like A Rolling Stone 16 Sympathy For The Devil 17 Tumbling Dice 18 Honky Tonk Women 19 Start Me Up 20 Jumping Jack Flash (encore)21 You Can't Always Get What You Want 22 Brown Sugar

以上、1998年のログです。さすがに平日ということもあって、ほとんど埋まっていない状況でしたが、アリーナ席ということもあり、こちらの方が楽しめました。けっこう場内に、放送禁止用語が乱れ飛ぶ状況でしたが、幸い、これらはライヴ音源としては、採用されていないようです。暗い場内での、セットリストのメモ書き、苦労したなあ。


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