僕は開演前につきましたが、それほど並んでいたわけじゃない。チケットも簡単にゲットできたので、こりゃ空いているのかなと思いましたが、ダフちゃんにも声かけられました。でも、当日売りがあったぞ。古内さんは、紫のスパンコールのついた上下で登場。下はパンツルックでした。バンドは、7人編成で、ギター、ベース、ドラム、シンセとホーンセクションの3人。オープニングは、アルバム『恋』から、「悲しいうわさ」「ブレーキ」「大丈夫」とMCも挟まずに飛ばしていました。
この人、喋るの嫌いなのかなと思いましたが、ここで初めての一言。んで、以前のアルバムからまた3曲やって、再びMCとなります。ここらでようやくほぐれてきたようで、以後「舌」好調となります。ふと気づくと、1F席の前の方は、いつの間にか総立ち状態。確かに心地よいにも関わらず、ノリが良くてまたしっとりとしている「古内節」なんですが、立ち上がるまでには至らないような…。それでも、観客はいつの間にか踊り始めているような人もいたなあ。
客層は、なんといっても女性が多い。それもスーツを着こなしたような、会社帰りのOLから、制服の女子高生まで。男性はといえば、その女性の連れが多い。しかし、なぜか僕を含めて、ひとりで来ている者もちらほらと見かける。このあたりは、東子さんも、「最近は、目に見えて男性客が多くなってきたのが開演前のざわめきなんかである程度わかり、それがとても嬉しい」とのこと。
衣装替えで一度下がると、今度は、黒のノースリーブのワンピースで登場。背中が大きく開いていて、女性ファンから「とってもエッチ〜」との声援が。なんだかあっという間の、2時間でした。
この人、ヴォーカルは物憂いし、音もアダルトな雰囲気で迫ってくるものかと思いましたが、ホーンを入れていることもあってか、かなりノリが良かったです。ステージでも、ベースの小松秀行氏が、率先してのサウンドワークといえましょう。
会場で売られていたのが、「東子ちゃんラーメン」。小腹が空いたときにちょうどいいようなサイズのカップラーメンです。表には、古内東子自筆の自画像のイラスト入り(かなり下手)。これがシールになっているので、現在自分のクリアファイルに貼っているものの、悲しいかな誰も気づいてくれない。なぜかカルビ味でした。ちなみに、このラーメンを売り込むシーンがステージでも展開されましたが、ファンにラーメンのこと突っ込まれてしまい、ちょっとたじろいだ東子さんでした。
とにかく、この人の心地よさをOLだけに独占させるのは、もったいない。男性もぜひぜひ聴いてみてくだされ。ステージの貫禄はまだまだですが、曲にはかなり入れ込んで歌っています。チケットも割とゲットしやすいので、今がチャンスかも。
評価 ★★★
以上、1997年現在のログを残しました。
なんというか、当時は、これはこのまま行けば、ユーミンを脅かす存在になるなあと思っていたものの、外からは、「恋愛の教祖」のレッテルをいただき、自分から作る曲は、情念の部分ばかりが強調されたような曲ばかりで、人気動員ともに、この1997年の『恋』以降、じり貧傾向にあるような。やはりなんというか、女性ヴォーカルで、ディーヴァ系でもないとなると、さらなる発展というのが難しいのでしょうか。
その後の、古内東子のステージングなどはまったく拝見していないので、これ以上のコメントがしようにないんですが、頑張っていただきたい。何しろ、『恋』以降、アルバムは欠かさず買って、サウンドチェックなどはきちっとやっているつもりなんだから。情念の部分だけで、広いファン層を引きつけるのは、正直言って辛い。この頃の、『恋』あたりのそれほど情念を丸出しにしていない作風を、持ってきてもらいたいよ。はっきりいって、このところの作品、聴いててヘビーになってくるから。
個人的には、ディーヴァ系は嫌いです。そういう人も少なからずいるわけで、心地よいサウンドを作る力はあるんだから、頑張っていただきたい人のひとりではあります。